宗教について

夕食の間、妹たちがジャニーズのライブDVDを見ていたのでわたしもしぶしぶ見ていた。そしたら、こんなシーンがあった。

  • 新曲の「ららら〜♪」の部分をライブに来ているお客さんの声にする
  • なので、「ららら〜♪」の部分だけを録音したい
  • 録音の都合上、ギターとかは入れられない
  • 軽く練習した後本番へ
  • 客の「ららら〜♪」だけが聞こえる状態に

この「ららら〜♪」のシーンが宗教みたいでほんとうに気持ち悪い、と思ってしまった。この「宗教みたいで」ってのは、読む人にとっては語弊を与えかねないのですが、そう感じてしまったのでご容赦を。でも、よくよく考えてみるとライブで客が盛り上がってるのも教祖=ジャニーズなのであって宗教と似通った部分はあるんじゃないかと思う。しかし、そうなるとライブやってる人全てが教祖になってしまう。それはなんか違う気がする。

どれもこれもカナザワ映画祭のせいに違いない。ツァイトガイストで散々宗教を叩いたあとに、ノストラダムスを観ると軽く洗脳されると思います。宗教ってほとほとバカだよな、って。でも、その洗脳もある意味では宗教であって・・・と考えていくうちに、人を煽動すること=宗教っていう結論にたどり着いてしまう。でもそれもなんか違う気がする。

オーストラリアに留学したときに、こんなことがあった。自分の自己申告書みたいなのがあって、それに自分の宗教を書く欄があった。無宗教はなかったので、一番近いであろう「仏教」を選択して提出した。そのせいか、ホストたちと自分の好きな音楽を教えあってるときにホスト側のPCにクリスマスソングが入っていてホストがそれを鳴らした。そしたら、近くにいたホストファーザーが飛んできて「(わたしの名前)はブッディストだから、そんな曲は鳴らしたらダメだ!」と曲を止めてしまった。
ホストファーザーの行いは、恐らく正しい。こんな乱れた宗教観をもつ国は日本ぐらいだろうから。せっかくなので、一応仏教徒って書いたけど、実はそんなことなくてクリスマスも祝ったり、バレンタインも祝ったりするんだよ、と説明しておいた。日本って不思議な国なんだね、と言っていたのが印象に残っている。

先日、塩野七生さんのローマ人最新刊が発売されていたので買いました。ちょうど、ローマが3世紀の危機を乗り越え少し安定する時期の部分であり、コンスタンティヌスキリスト教を公認する時期のもの。わたしの好きだったローマ帝国が完全に葬り去られるのを読んでいると本当に悲しくなる。ローマ人が繁栄したのはローマ人が多神教だったことの影響が少なくない。他者、異教徒を認め共存する、そんなローマ人の根幹を支えたのもやっぱり宗教なんだな、と思っている。

宗教について、これといった結論を出すのはすごく難しい。だけど、盲信的に信じてはならないし、全てを疑わなければならないと思う。これだけは言える。